和室の畳からフローリングにリフォームしたいと考える方はとても多く、色々なリフォーム工事の中でも比較的気軽にできるリフォームなので人気があります。
しかし、畳からフローリングにするリフォームは、リフォームの合計費用ばかりを重視してしまい、後悔する方がとても多いです。
今回は、畳からフローリングにリフォームする場合、どのような事に注意しなければならないのかを詳しくまとめてみます。
畳からフローリングのリフォーム見積もり内容と費用
まずはじめに、6畳間和室の畳からフローリングにリフォームする一般的な見積もりプランを2つあげてみます。
【プランA】和室の畳からフローリング(6畳間)
畳の撤去処分費用 | 6枚 | 12,000円~18,000円 |
下地工事(根太) | 6畳 | 10,000円~12,000円 |
下地工事(ベニヤ) | 6畳 | 12,000円~15,000円 |
下地工事(断熱材) | 6畳 | 9,000円~12,000円 |
下地補強及び部分補修 | 一式 | 5,000円~8,000円 |
フローリング張り | 6畳 | 60,000円~80,000円 |
巾木 | 約10m | 10,000円~12,000円 |
諸経費(産廃処理費、交通費) | 一式 | 5,000円~10,000円 |
合計 | 123,000円~167,000円 |
【プランB】和室の畳からフローリング(6畳間)
畳の撤去処分費用 | 6枚 | 12,000円~18,000円 |
下地工事(根太) | 6畳 | 10,000円~12,000円 |
フローリング張り | 6畳 | 60,000円~80,000円 |
諸経費(産廃処理費、交通費) | 一式 | 5,000円~10,000円 |
合計 | 87,000円~120,000円 |
一般的な見積もりで比較するとプランAとプランBでは、合計費用が最低でも36,000円~42,000円、最大80,000円程と結構差がありますので、安い方のプランで依頼する方が多いです。
しかし、和室のフローリングリフォームを相見積もりで比較した場合、安易に安い業者を選ばず、内容をしっかり理解した上で判断することが大切です。
なぜなら、安いプランで工事を省いた事により、後悔してしまう方がたくさんいるからです。
畳からフローリングのリフォーム工事で後悔することとは
先ほどのプランBのように、「見た目だけでもフローリングにして、とにかく安く済ませたい!」ということであればリフォーム合計費用を抑えることは可能です。
しかし、和室の畳からフローリングにする場合、見た目の変化やリフォーム費用ばかりを追い求めると、リフォーム失敗に終わってしまうことがあります。
先ほど解説したプランAにはあってプランBにはない工事内容は以下の通りです。
- 下地工事のベニヤ張り
- 下地工事の断熱材
- 下地補強及び部分補修
- 巾木工事
それでは、これらの工事を省いてしまう事で起こる問題を一つずつ説明していきますね。
下地工事のベニヤ張り
根太組みは、最低でも30.3センチ間隔で施工します。約30センチの間に根太以外なにも無いと、フローリングを点で支える事になります。
ですので、フローリングを点ではなく面で支えるには強度を保つためのベニヤ張りがとても重要なのです。
ベニヤ張りをしないことで起こる問題
費用を抑えるため、根太張り工法でフローリングを仕上げる業者が多いですが、実は殆どのフローリングメーカーは根太張りを推奨していません。
ベニヤの捨て張りをせず、下地工事を根太のみ(根太張り)で施工すると、根太と根太の間に何もないので「たわんでしまう問題」が発生します。
一般的なフローリングの厚さは約12ミリなのですが、ベニヤが無いとフローリングの厚み、強度だけに依存します。
ですので、比較的柔軟なフローリング材を選んでしまうと大きくたわんでしまい、歩くたびに床鳴りが発生します。
また、湿気っぽい環境などで根太だけの工法をすると、ひどい場合床が抜けてしまうこともありますので十分注意しましょう。
ですので現地調査の段階で「根太のピッチ(間隔)はどれくらいなのか?」という事も聞いておくと安心です。
根太上のベニヤは、基本的に12ミリのベニヤを使用します。
9ミリのベニヤを捨て張りする業者もいますが、費用を抑える目的ではなく、高さ合わせのためにどちらの厚さにするか決める事が多いです。
下地工事の断熱材
下地の根太と根太の間に、スタイロフォーム・発泡スチロール・グラスウールなどの断熱材を施すことで、音の問題や寒さの問題などが緩和されるのでとても重要です。
断熱材を施さないと起こる問題とは?
スタイロフォームやグラスウールなどの断熱材を施さないと、戸建ての一階は真冬の寒さの床下からくる冷気ですぐに部屋ごと冷え切ってしまいます。
断熱材を使用しないと寒さの問題だけではなく、音も問題もあります。
例えば戸建ての二階の和室の場合、テレビのリモコンなど小さな物をちょっと落としただけで下の階に響いてしまいます。
他にも掃除機をかける音や、静かに歩いている音など、生活する上で発生してしまう小さな音が反響して簡単に伝わってしまうのです。
木造の戸建てやアパートに限らず、マンションや団地でも音の問題があります。
畳だった時は全く影響が無かったのに、「フローリングに替えてから苦情が来るようになった・・・」というお宅も多いので注意しなければなりません。
下地補強及び部分補修
築年数が経過した和室の畳を剥がすと下地が傷んでいたり釘が緩んでいることが多々あります。
古い釘をビスに打ち直したり、たわみが激しい部分は根太やベニヤなどで補強することもあります。
先々の不具合を考えるとできる限りの補強や部分補修が必要です。
下地の補強や部分補修をしない事で起こる問題とは?
下地の傷みや緩みなど不具合が起きている場合、そのまま根太を組んでフローリングを張っても必ず床鳴りの原因になってしまいます。
- 釘が擦れてなる釘鳴り
- たわみによりきしむ床鳴り
- 下地が動いてしまう事で擦れる床鳴り
釘が擦れてなる釘鳴りは、「ギシギシ」と大きな音ですのでフローリング施工後にとても気になります。
釘鳴りは下地を補強することも必要ですが、床鳴りの原因となる釘を除去し、ビスを打ち直すことが最も重要です。
また、下地のたわみや下地が動いてしまう事による床鳴りは「ミシミシ」「コツコツ」とその場所を踏むと何度も繰り返しなる床鳴りが多いです。
劣悪な環境でない限り、床が抜けてしまうという事は考えにくいですが、下地の状態がかなりひどい場合は、6畳間全体が鳴ってしまう事があります。
1~2か所の不具合であれば、サービスで補強してくれる業者も多いですが、多少の補強費用や補修費用で済むのであれば、必ず直した状態でフローリングを張った方が無難でしょう。
既存下地の床板や、緩んだ釘をそのまま放置しフローリングを施工してしまう業者もいますので注意です。
古い床下地を残しフローリング工事をする場合、見積もり時に「補強や補修をしないと、床鳴りする可能性がある」という説明をしっかりしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
>>プロが解説!フローリングが床鳴りする4つの原因とその対策について
巾木工事
巾木工事自体は、一万数千円でできることが殆どなのですが、少しでも費用を削るためにあまり重要視されない巾木を省く方が多いです。
巾木をつけない事で起こる問題とは?
元々畳の間は、巾木を取り付ける事はなく、畳寄せという白木が壁際についています。
巾木の取り付けをしない場合は、既存の畳寄せを残し、フローリングをピッタリ突き付けて施工します。
伸縮が少ないと言われている複合フローリングでも、湿気の多い季節はフローリングが伸びますので、畳寄せにピッタリ突き付けると床鳴りが発生します。
反対に乾燥した季節はフローリングが縮まり、畳寄せとの隙間が数ミリあいてしまいますので見た目の不具合も起こってしまいます。
フローリングの伸縮は生活環境や換気方法などにより予測がつきにくいです。
巾木は見た目を良くする化粧の意味もありますが、フローリングの伸縮を隠せる意味もありますので、金額的に大きな負担にならない巾木は、できる限り取り付けることをおすすめします。
>>巾木って必要なの?意外に重要な巾木の交換リフォームについてまとめ
これまであげた、音の問題や寒さの問題、伸縮の問題などは、後から直すのは現実的に難しいです。
なぜなら、剥がしたフローリング材は使えませんし、撤去費用など考えると当初の金額と変わらない額になる事が多いからです。
和室の畳をフローリングにする場合は、後悔しないリフォーム計画をしっかり立てなければなりません。
見積もり内容をチェックすべき重要な3つのポイント
リフォーム業者によっては、「安い値段が売り」ということばかりを重視して、見積もりの詳細が無い工事業者も存在します。
畳からフローリングにするリフォームは、見積書に詳細が記載されていないと、リフォーム工事後にトラブルになりますので必ずチェックしなければなりません。
畳からフローリングにするリフォームの見積書で、しっかりチェックすべき重要なポイントは3つです。
- 下地工事の詳細
- フローリング材の詳細
- 下地の補修や追加費用の記載
こちらも一つずつ見ていきましょう
下地工事の詳細
先ほど、畳からフローリングにする時に後悔する問題としてあげた通り、下地工事の内容が最も重要です。
- ベニヤ板は何ミリの板を何枚使用するか
- 断熱材はどんな材質で何ミリの断熱材を使用するのか
- 下地の補強や補修は何か所でどのような方法でするのか
「どのような施工をするのか」「どのような物を使用するのか」など詳細を知ることが重要です。
見積もり金額に伴った工事内容なのかを、見積書ならびに現地調査時の説明で確認するようにしましょう。
下地工事は、フローリングでふたをされてしまうと見ることが出来なくなります。
見積書通りに下地の施工をしっかりしているかどうかは、仕上げ前の工程写真を撮ってもらうか、工事途中を見に行くしかありません。
>>リフォーム中に見に行きたい!見学時の確認ポイントや注意事項まとめ
フローリング材の詳細
フローリングを決める時、色だけ決めて、メーカーや仕様は業者にお任せするという方がいます。
しかし、おまかせにした場合、B級品で施工されてしまう事があるので注意しなければなりません。
B級品とは、ホームセンターなどで取り扱っている聞いたことが無いようなメーカーの安いフローリング材で、色ムラが激しかったり、大きく反っていたり、直角ではないこともあります。
下地の補修や追加費用の記載
下地の状態が悪いかどうかは、現地調査の段階で殆ど判明します。
しかし、現地調査に来た担当者が、畳すらめくらない場合は下地のチェックをしていないので、工事中に下地の問題があった場合追加費用請求の可能性もあります。
>>リフォームの追加工事トラブル!納得いかない追加費用発生を防ぐには
同じ工事内容で価格差があるなら安い方を選ぶべきだと思いますが、違う内容での相見積もりには気を付けなければなりません。
相見積もりする場合は同じ内容で比較することが重要です!
畳からフローリングを検討しているならまずは相見積もり
畳からフローリングにするリフォームで気をつけるべきポイントは、合計費用より見積もりの内容をしっかり確認することです。
畳からフローリングに変更するリフォームは地域により価格差が大きいので、必ず相見積もりにて比較検討しなければなりません。
しかし、「畳からフローリングにリフォームをしよう!」と考え、お住まいの地域のリフォーム業者を探しても中々希望通りの業者がみつからないものです。
また、比較するにも比較できるほど業者が少ない地域もあるので、結局1社に決めてしまう方も多いです。
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- 自分で選んだ業者からのみ見積もりをもらえる
- リフォームのお断り連絡を代行してくれる
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まとめ
今回は、畳からフローリングのリフォームは「工事費用よりも見積もり内容を重視しなければならない」という事について解説してみましたがいかがだったでしょうか?
リフォームの合計金額にばかり目を向け、安いだけの業者に依頼してしまうと必ず後悔してしまうという事が十分理解できたのではないでしょうか。
6畳間の畳からフローリングにするリフォームはそれほど大きなリフォームではありませんが、必ず相見積もりにて比較し業者を選ぶようにしましょう!
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