リフォーム工事は新築工事とは違い、予測不可能なことがたくさんありますので、追加工事による追加費用発生も珍しいことではありません。
悪徳リフォーム業者に引っかかってしまったならまだしも、優良そうなリフォーム業者でも追加工事による追加費用発生トラブルが多く、嫌な思いをしてしまう方がたくさんいます。
今回は、どのようにすれば追加工事によるトラブルを防げるのか?
追加工事による追加費用が発生する原因は何なのか?などを詳しく解説していきます。
追加工事によるトラブルにならないためにする4つのこと
リフォームで追加工事によるトラブルに悩まされる方がいる一方、全くトラブルが無かった人もいます。
追加費用発生のトラブルがなくリフォームを成功させるには、以下4つの事が大切です。
- 想定外の追加工事の可能性を事前に知っておく
- 相見積もり時に追加工事の可能性を説明してくれる業者か比較する
- リフォームの見積書を隅々までしっかり見る
- リフォームの契約を決める前に追加工事の料金を確認する
それでは、一つずつ詳しく解説してみましょう。
想定外の追加工事の可能性を事前に知っておく
自分がやるリフォームで追加工事が発生する可能性があるかどうかを、ある程度事前に知っておく事が大切です。
特に追加工事が発生しやすい5つのリフォームについてまとめてみますね。
浴室工事
戸建の在来浴室からユニットバスにする時、土台の腐食や脱衣場の腐食により追加工事が発生しやすい傾向にあります。
また、マンションなどの集合住宅でも脱衣場の床や壁の劣化により、やり直さなければならない事例もあるので、リフォーム業者さんとの入念な打ち合わせが必須です。
キッチン工事
キッチンの交換リフォームも下地の劣化による補強工事や補修工事もあります。
また、古い団地やマンションの配管が老朽化している場合は、配管の交換が必要で一番費用がかさむ追加工事になりやすいです。
築年数が30年~40年経過している集合住宅の場合、最初から配管の交換を含めた見積もりをするリフォーム会社もあります。
トイレ・洗面化粧台工事
トイレや洗面化粧台のリフォームも配管老朽化によりの部品の交換があり、場合によっては床を開けなければならない追加工事もあります。
また、便器を外した時に発覚することがあるが床の劣化です。踏み込むと大きく沈むようなたわんでいる床は、床下地からやりかえる必要があります。
トイレは範囲が狭いので、部分補修というより、全体的に下地を造り直す事もありますので、予想外に費用が掛かってしまう可能性があります。
クロス工事
下地の石膏ボードにカビが繁殖している場合は交換しなければならない可能性があります。
湿気によりクロスが既に剥がれていて、カビにより黒く変色している様な部屋は、交換する可能性高いでしょう。
マンションなどで湿気が溜まりやすい部屋は、湿気対策をしなければ再び同じような不具合が起きる事もありますので、業者の的確な判断が必要です。
他にも、不陸により下地を整えなければ綺麗な仕上がりにならないことがあります。(※不陸とは、下地の凸凹や歪みにより平滑でないこと)
既存のクロスが厚手の場合、クロスを剥がしてからでないと判断ができないことがあるため、下地処理が後からの追加費用請求になる可能性があります。
フローリング工事
フローリングのリフォームでの追加工事は、下地不良による補強や床鳴りによる補修が考えられます。
また、既存のフローリングを剥がす時、床材と下地材が接着剤により強く着いている場合は、下地のベニヤなどがボロボロになってしまう事もあります。
傷んでしまった範囲によっては、広範囲に下地を替えなければならないので、多くの追加費用が掛る可能性もあります。
フローリングの場合は、剥がしてみないと判断がつかない事も多いので、追加になる場合どれくらい掛る可能性があるのか?業者の説明を聞く事が重要です。
このように、ざっくりとした原因だけでも知っておくと、リフォーム業者との話し合いで質問できるようになります。
しっかりと質問できることで、追加工事による費用発生のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
相見積もり時に追加工事の可能性を説明してくれる業者か比較する
相見積もりでの業者選びのポイントは、値段を比較することが大切ですが、業者の対応なども比較しなければなりません。
そしてもうひとつ、想定される追加工事に関して、しっかり説明してくれる業者かどうか比較することも重要なポイントです。
なぜなら、想定される追加工事の説明ができない業者は、多くの事例を経験していない可能性が高く、想定外の追加費用を請求される恐れがあるからです。
過去の事例から想定できる業者は、必ず追加工事の可能性を説明します。
例えば、
「戸建ての築年数から考えて、浴室の土台が腐食している可能性が高いので、補強工事の可能性があります」
「このマンションで何件もキッチン交換をしたが、老朽化した配管を交換しないと漏水する可能性が高いです」
「この部分は湿気が溜まりやすいので、床下の補強しておくことにより、床鳴りやたわみの予防ができます」
「陽の入り方で壁や天井の凹凸が目立つので、どのクロス材を選ぶかで下地調整の可能性があります」
追加工事の説明があるか無いかを比較することで、想定外の費用発生によるトラブルを未然に防ぐことができます。
リフォーム会社の経験豊富な事例は、成功事例だけではありません。
優良リフォーム業者の殆どが、過去の失敗を活かして、今の良い評判につなげているのです!
リフォームの見積書を隅々までしっかり見る
リフォームの見積書をもらったら、隅々までしっかりと目を通す事が大切です。
「そんなこと、言われないでもわかってる!」
と思うかもしれませんが、追加工事の可能性に関する注意事項など、備考欄に書いてあることを見逃している方が多いです。
リフォームの見積書は、合計いくら掛かるのか一番気になる気持ちもわかりますが、総額ばかりに目を向けずに、備考欄までしっかり見るようにしましょう。
見積書の備考欄に追加工事の可能性が記載されていても、見積書と合わせて追加工事の説明をしてくれない業者であれば、依頼することを考え直した方が良いです。
なぜなら、リフォーム会社によっては、「予測が困難な追加費用発生の可能性があります」と、意図的に小さめに記載しているような少し悪意がある業者も存在するからです。
リフォームの契約を決める前に追加工事の料金を確認する
リフォームの追加工事が有る無しだけを確認するのではなく、事前に追加工事になる場合の金額を知っていたかどうかが重要です。
基本的には、見積もりに載っていない工事は、全て料金が発生するものと認識して、契約前に追加の場合いくら掛るのか必ず確認するようにしましょう。
一般的なリフォーム業者は、
「工事を始めてみないといくら掛るかわらない」
「解体してみないとどれくらい追加になるかわからない」
など、はっきりとした金額を示さない業者が多いです。
良心的なリフォーム会社は追加費用を明確に見積もる
優良なリフォーム会社は、見積もり外の追加工事による費用発生を嫌います。
なぜなら、とても良い関係性でリフォームが進んでも、追加工事が原因で関係が悪化することを知っているからです。
ですので、できる限り追加工事が発生しない様な見積もりをし、追加費用が発生する可能性がある場合でも明確な料金を示します。
確かに解体しなければわからない様な事例もあります。
しかし、良心的なリフォーム会社ですと過去の事例などから「10万円~12万円くらいの中でおさまると思います」と概算でも示します。
追加料金の確認をしないと思い違いのトラブルが起きる
具体的に追加料金を確認しないと、自分の思い違いによるトラブルが起きます。
例えば、比較的簡単そうな補強や補修など、通常の見積もり内に含まれていると思い込んでいる事もありますので、いくら掛るのかを必ず確認しておくことが必要です。
また、リフォームが始まってから急遽決まった追加工事も、口約束ではなく、必ず見積書をとることが大切です。
なぜなら、必ず「言った!聞いてない!」のトラブルに発展する可能性があるからです。
よくあるリフォーム追加工事のトラブル事例
悪徳リフォーム業者では無いにも関わらず、なぜ追加工事によるトラブルに発展してしまうのでしょうか?
よくあるリフォーム追加工事によるトラブル事例から原因を探ってみましょう。原因は、以下の3つのことが考えられます。
- 逃れられない追加工事が高額
- リフォーム業者の説明不足
- 変更を職人さんに直接依頼
それぞれどのようなことなのか、詳しく解説してみましょう。
逃れられない追加工事が高額
リフォームは解体してみないと分からない様な工事があります。
特に、下地が傷んでいるかもしれないリフォームをする場合は、表面からだけではわからない工事があるのは事実です。
例えば、浴室やキッチンなどの水廻り交換リフォームは、水の影響で下地が腐食していることが少なくありません。
浴室やキッチンは重量物ですので、腐食したままの下地で設置してしまうと、後々大問題になります。
水廻りの腐食による追加工事は、将来的に考えるとやらざるを得ません。
後から直す事が現実的に不可能な事が殆どですので、逃れられない高額な追加費用になってしまいます。
少しくらいの追加費用ならまだしも、最初の見積もり金額よりも多くの追加費用を支払わなければならなくなることは、到底納得いきませんよね。
トラブルになりやすい原因は、やはり、リフォームの経験があまりない業者です。
なぜなら、経験値が無いリフォーム業者は、予測能力が乏しいため、工事が進む度に追加工事ばかり出てくるからです。
リフォーム業者のレベルによっては、当初の見積もりから大きくかけ離れる事が多いので注意が必要です。
誰が見ても腐食している下地なら、一般の方でも判断がつきますが、経験が少ない業者ですと判断がつきにくいことも少なくありません。
だからこそ、水廻りのリフォームは値段だけではなく、経験豊富な知識を持った業者に依頼することが重要なのです。
経験が豊富なリフォーム業者なら、見積もりの段階で想定されることの説明は、契約前に完結させることが殆どです。
リフォーム業者の説明不足
追加工事による追加費用トラブルの多くが、リフォーム業者の説明不足にあります。
「そもそも追加工事が発生する可能性など何も言われなかった・・・」
「追加工事の可能性があるかもしれない説明はあったが、追加費用がここまで高いとは聞いていない!」
「説明されていない追加工事がこんなにたくさんあるなら、リフォームを見送っていたのに・・・」
など、リフォーム会社の説明不足による追加工事トラブルがとても多いです。
予算ギリギリでリフォームを依頼する方もたくさんいますので、見積もり以外に説明されていない追加料金を多く支払うのは、絶対に嫌ですよね。
リフォーム業者の説明不足によるトラブルを防ぐには、相見積もりで追加工事の可能性を説明してくれるかどうか。
それから、複数社の相見積もりで、追加工事が発生した場合の最大値を比較することが重要です。
なぜなら、説明がなかったことにより、一番安いリフォーム会社に決めたのにもかかわらず、リフォーム完了後に総額で一番高くなってしまったという方もたくさんいるからです。
下地の不具合の可能性があるリフォームの「浴室交換」「キッチン交換」「フローリングの張り替え」などは、特にしっかりとした説明をしてくれる業者を選ぶべきです。
一番安い業者に決めたくなる気持ちはもちろんわかりますが、最終的に一番安いのかを疑うことが必要です。
変更を職人さんに直接依頼
在宅でのリフォーム工事の場合は、職人さんと毎日顔を合わせるので、リフォームの担当者よりも仲良くなる傾向にあります。
コミュニケーションをしっかり取ることは、リフォーム成功の秘訣ですので積極的に深めることはとても良いことです。
しかし、リフォーム工事中に変更可能な仕様変更や、ちょっとした追加工事を直接お願いしてトラブルに発展してしまう事例もあります。
仲良くなった職人さんなら、少しくらいのお願を聞いてもらえることはよくあります。
職人さんも嫌な顔ひとつせず、こころよく依頼を請けてくれることも多いです。
しかし、工事が全て完工して請求書を見てビックリ。
取り付け位置の変更や、付け替え工事など無料でやってくれていると思ってた工事が、それなりの費用が発生する場合があります。
職人さんは、お客さんに直接頼まれた変更工事を後から会社に伝えるだけという場合も多く、値段が決まっていないまま工事が進むことも少なくありません。
どんなに小さそうな工事でも、見積書に載っていない追加工事が発生する時は、担当者に確認を取ってから依頼する方がトラブル防止になります。
トラブル防止のためには、どんなに小さな変更工事や追加工事でも、口約束で依頼してはいけません。
必ず、記録が残る形で見積もりを取ることが重要です!
不誠実な業者の都合による最悪な追加料金請求トラブルとは
先ほど説明しました追加料金のトラブルに比べて少ないですが、不誠実な業者の都合による最悪なトラブルもありますので注意しなければなりません。
業者側の都合で発生する、リフォームの追加料金請求トラブルとは
・リフォーム業者の見積もり漏れ
・安い値段で受注して高い追加工事で利益を取る業者
・明らかな施工ミスにも関わらず追加請求
こちらも一つずつ詳しく説明していきます。
リフォーム業者の見積もり漏れ
リフォーム業者によっては、見積もりの詰めが甘く、見積もっていなければならない重大な項目を漏らしてしまう担当者もいます。
㎡数の測り間違えや、仕様変更の間違えなどが多いです。
これは本来、追加工事には全く当てはまらないのですが、リフォーム業者の見積もり漏れを、追加工事として請求される事例もあることを覚えておきましょう。
漏れてしまった見積もりが、少額なら業者側がミスとして被るのですが、何十万円ともなる見積もり漏れは、あらゆる言い訳を使ってでもエンドユーザーに請求してくる業者もいます。
当然納得がいかないと思いますが、開き直る業者は「こちらのミスですが、掛ったものは掛ったものとしてお支払い願います!」と強気に出る業者もいますので気を付けなければなりません。
このような、見積もり漏れを防止するためにも、2社から3社の相見積もりで、見積書の内容を比較することがとても重要です。
見積もりの内容や項目が他社に比べて極端に少なく、総額が安い場合は疑うべきです!
安い値段で受注して高い追加工事で利益を取る業者
不誠実と言うか、悪質なリフォーム業者は、追加工事ありきで受注しているところもあります。
数あるリフォーム業者の中で、競合に負けないように見積もり金額を極端に下げ受注し、追加工事で本来の利益を取リます。
そのようなリフォーム業者は、見積書を見てもあまりわからなさそうな方がターゲットです。
リフォーム総額しか見ない事を知っていて、追加工事に掛る費用を曖昧にします。そして、やらざるを得ない追加工事があることも知っています。
値段を伝えないまま工事が完了し、高額な追加費用を平気でしてくる不誠実な業者もいますので、充分注意しなければなりません。
他のリフォーム業者の見積もりと比べて、一式ばかりの表記が多くてざっくりしている場合は、多くの追加工事を請求される可能性があります。
不誠実な業者の追加工事は割高になる事を知っておきましょう。
なぜなら、工事受注前と違って競合がいないので、値引きする必要が無いという考えだからです。
解体してからわかる追加工事など、やらざるを得ない状況では、業者は強気になります。
ですので、追加費用が発生する可能性があるリフォームの場合は、契約をする前に細かく確認し、他社と比較する事が重要です。
明らかな施工ミスにも関わらず追加請求
不誠実なリフォーム業者の中には、自分たちの施工ミスで足りなくなった資材を、追加費用として請求してくる業者も存在します。
とても信じがたいかもしれませんが、「足りなかったので、追加になりますー」と悪びれることも無く、当たり前のように言ってきます。
また、リフォームする箇所が多い場合、各所で細かい追加費用が発生する事もあり、施工ミスなどで損失した部分を、どさくさに紛れて費用が載っている事もあります。
それから、追加工事による追加費用発生が無いと言われても安心は禁物です。
なぜなら、追加が無いと言ってしまった手前、隠れていた傷んだ所を補強や補修をせず、報告せずそのまま仕上げてしまう業者もいるからです。
大事な追加工事を見て見ぬふりをする業者や、理不尽な追加費用請求をしてくるリフォーム業者は絶対に避けなければなりません!
追加工事トラブルを防ぐためには業者選びに失敗しないこと
追加工事によるトラブルを避けられるかどうかは、業者選びから決まってしまいますので、しっかり説明をしてくれる業者を見つけなければなりません。
今回、追加工事トラブルを防ぐために必要な事をまとめてみましたが、実際にはリフォームの総額が一番安い業者に目が行き、色々な判断も鈍ってしまいますよね・・・
リフォームの経験が何度もある方ならまだしも、はじめてのリフォームの方は優良なリフォーム業者かどうか、判断がつきにくいものです。
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まとめ
今回、追加工事による追加費用発生トラブルについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
トラブルにならない様にするポイントは、
・想定外の追加工事の可能性を事前に知っておく
・相見積もり時に追加工事の可能性を説明してくれる業者か比較する
・リフォームの見積書を隅々までしっかり見る
・リフォームの契約を決める前に追加工事の料金を確認する
上記の事を徹底すれば、追加工事によるトラブルを回避でき、リフォーム成功に近づけますので、まずはリフォーム業者を複数社絞り、相見積もりをして比較してみましょう!
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