リフォーム業者選びで失敗しないために
リフォームを成功させるには、リフォーム業者選びがとても大切です。
悪質な業者を選んでしまうと、思い通りのリフォームが出来ないだけでなく、詐欺まがいのトラブルに見舞われてしまうこともあるからです。
とはいえ、「どんな会社が優良リフォーム業者なのか」を判断するのは、とても難しいですよね。
どんなにサービスがしっかりしていても料金が相場の倍ほどするのであれば意味がありませんし、金額が高いからといって最上級の技術やアドバイスがもらえるわけでもありません。
優良リフォーム業者の理想の条件は、担当者の誠実さ、職人さんの技術、値段の部分も含めて総合的に判断するべきで、トータルバランスが高いかどうかが重要なのです。
リフォームの参考書では、あなたのリフォームを成功させるのに必要不可欠な「リフォーム業者の選び方」を中心に、リフォームに役立つ総合的な知識をお伝えしていきます。
リフォーム業者を選ぶ基準を理解する
まずは優良リフォーム業者を選ぶ基準を理解しておきましょう。
私は建設業界に25年間携わってきたリフォームのプロですが、そんな私が考える「譲れない条件」が、以下の4点です。
- 現地調査時に予算や希望に見合った提案をくれる
- 見積書、仕様書、契約書をわかりやすく説明してくれる
- 職人さんの技術が高く、担当者とのチームワークが良い
- 工事後の不具合などアフターサービスの対応が迅速
1つずつ、順番に解説してきますね。
1.現地調査時に予算や希望に見合った提案をくれる
現地調査の際に、予算に合わせてあなたの利益になる様な提案をしてくれたり、商品選択のメリットとデメリットを分かりやすく教えてくれるような担当者が付く場合は、優良リフォーム業者と言って良いと思います。
基本的に、優良リフォーム業者はいつも提案が明確で無駄な工事は勧めず、どうやったら少しでも予算を削減できるかも考えてくれます。印象として、とても誠実なのが特長です。
例えば、
- 「この商品を選ぶなら、こちらの方が機能が殆ど変わらず価格が安いですよ!」
- 「こちらの工事は、下地までやり替える可能性があるので、予算を少し超えてしまいます」
といった感じで、その場その場で不自然に話が詰まること無く、丁寧に分かりやすく説明してくれます。
そのため、話し合っていくうちに結果的に予算を超えたリフォームになっても、『色々なアドバイスやより良い提案をしてくれた!』とお客様満足度がかなり高い結果となります。
大手ハウスメーカーなど特に忙しい会社の中には、全く仕事を取る気が無いのではと思うほど、受注意欲がない残念な対応をする場合があります。
受注してしまうとこれ以上忙しくなるので、断られても良いくらいの高額な見積額を提示したり、最悪の場合は仕事を取る気が全くない、いい加減な対応をする場合もあります。
会社の大きさや見積額以上に重要なのは、『これから一緒にリフォームを成功させましょう!』という気持ちです。
受注意欲が高いと「売り込みが強いのでは?」と敬遠する方もいらっしゃいますが、いつも親身になってリフォームの相談に乗ってくれる担当者に依頼するのが、リフォームを成功させる秘訣です。
2.見積書、仕様書、契約書をわかりやすく説明してくれる
リフォームのトラブルの多くは、
- 見積書や仕様書の説明
- リフォーム工事の契約書
逆に言うと、工事の前の見積書や契約書に対して慎重かつ丁寧に話を進めてくれるリフォーム会社は優良と言えます。
以下の3つのポイントに関して、誠実な対応をしてくれるかどうかを見極めましょう。
①見積書や仕様書の説明が親切
良い業者は、書面で分かりにくい部分は備考欄に補足し、それでも伝えきれない場合は必ず口頭で説明することを徹底しています。
特に初めてリフォームする方にとって、見積書は分かりにくいところが多いです。
>>リフォームの見積書を見るポイントと色々な諸経費の謎とは?
工事する箇所の数量の詳細や使用材の詳細など、全てにおいて細かく説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。
逆に、諸経費の内訳や各所数量が省略されているような見積書、表記が一式ばかりの分かりにくい見積書を提出し、補足の説明もない業者は要注意です。
②あえて相見積もりをすすめてくる
値段の適正さや高い技術力に自社の強みに自信がある業者は、『どうぞ他社さんと比べた上で決めていただければと思います!』とあえて相見積もりをすすめてきます。
普通は仕事を他社に取られたくないため、「相見積もりする前に当社に決めてくれたら、大幅値引きします」と持ちかけるのが一般的です。
しかし、値段だけではない決め手や自社の強みを分かっている会社は、自社の良い部分を解ってもらうために、あえて相見積もりをすすめてきます。
③契約書の説明が丁寧で支払い条件も柔軟
一般的に契約時は事務的な処理のみで、「あとで約款を読んでおいてくださいね」で済ませる業者が多いです。しかし、契約書の約款は難しいことが書いあることが多く、違った解釈で認識してしまうことも多々あります。
その意味では、契約時に契約書の読み合わせをきちんと行い、時間を費やしてくれるリフォーム業者はとても親切だと判断できます。
また、契約の際の支払い条件でも良い会社か悪い会社かを判断できます。
特に大きな工事になる際は、
- 着手金
- 中間金
- 完工後
しかし、極端に資金繰りが厳しい会社や、何かしら理由があって早く現金化させたい会社は、着手金の割合が極端に大きかったり、全額前払いという条件を付けてきます。
誠実な会社であれば、一方的に会社側が有利な割合の支払い条件にはしません。全額前払いという支払い条件を提示されたら、その会社の姿勢を疑いましょう。
3.職人さんの技術が高く、担当者とのチームワークが良い
ある程度の規模のリフォーム会社は、見積もりと施工を別々の人間が担当します。更には現場をまとめる担当や何でもサポートするような担当と、たくさんの人間が関わって一つのリフォームを完成させます。
分業でリフォームを請負うため、打ち合わせが不足していてチームとして意思疎通ができていないと、とても大きなトラブルとなってしまうことがあります。
例えば、
- 品番が急きょ変更になったことを、現場の職人さんに伝わらず施工してしまった・・・
- フローリングの貼る方向を勝手に判断して違う方向で貼ってしまった・・・
チームワークが良いリフォーム会社の場合、打ち合わせがしっかりしており、不明なところの再確認など、担当者から職人まで話が通っていますので、工程表の変更、施工方法の確認、仕様商品の発注ミスなどが極めて少ないです。
この点を満たしている業者には、以下のような特徴があります。
年数ではなく経験を重視している
優良なリフォーム会社は、経験年数が長いだけではない、とても優れた職人さんを抱えています。
ネット上の情報では、リフォーム業者を選ぶポイントに「職人さんの経験年数が長い方が良い」と書かれている場合が多いですが、長く現場を見てきた私に言わせると、これは間違いです。なぜなら、経験年数が少なくても優れた職人さんにはたくさんいるからです。
経験年数だけで判断するのはとても危険で、30年以上やっている大工さんでも、日曜大工以下のレベルの下手な大工さんもたくさんいますし、5年くらいでもその地域で一番の腕を持つ職人さんもいます。
特にリフォームの職人さんで重視すべきは、職人歴ではなく、リフォームの経験をたくさん積んでいるかどうかという点なのです。職人歴が20年とベテランなのに、リフォームの経験が1年という職人さんもたくさんいます。
優良業者は、職人さんの技量を把握している
優良リフォーム会社は、どこに所属しているかわからない様な職人を使うことはなく、信頼している自社の職人だけを使います。
反対に、「現場を収めるためならどんな職人でも構わない」という考えのリフォーム会社は、職人さんの技術力を把握していないために、品質が不安定でトラブルが起きやすいです。
特に臨時の職人さん(応援)の中には、その日の日当をもらえればいいという考えで仕事をする人もいるため、結果として無責任で行き当たりばったりの工事をされてしまうこともあります。
チームワークが良いリフォーム会社は、基本的に直手(じかて)直属の専属職人を使い、担当者側も腕の良し悪しを把握しているので、工事内容によって不安定になることはありません。
チームワークが悪い会社は、工事の中で、リフォームの予定していた工程や仕様が急きょ変わったりすると、職人さんによっては、話が違うといって機嫌が悪くなり、最悪の場合現場を放棄し帰ってしまうような事もあります。
しかし、チームワークが良いリフォーム会社ですと、そのような不測の事態でも気持ちが乱れることなく、難なく臨機応変に対応しますので工事の遅れもなく安心です。
4.工事後の不具合などアフターサービスの対応が迅速
リフォーム完工後は何も問題が起こらないのが一番ですが、取り付けた商品にしても加工した工事にしても、やはり人間が作るものですので不具合が起こることもあります。
優良なリフォーム担当者は、工事後でも電話にすぐ出てくれて、アフターサービスに対してとても迅速に対応し、見積もりの時から工事まで終始迅速な対応です。
一方、優良ではない業者は、工事が終わったら連絡が付きにくくなることが増え、折り返しの頻度も極端に悪くなる傾向にあり、会社も自分も利益(お金)にならないと考えて、酷い場合は何度も電話しても対応してくれない人もいます。
アフターサービスをいつまでも後回しにするようなリフォーム会社は、処理できないような大きなトラブルが起きた場合は確実に逃げてしまいますので、絶対選ばない様に注意しなければなりません!
アフターサービスがしっかりしてるかどうかは、どこで判断?
この点に関しては、以下の2つの観点から判断することが出来ます。
- これまでのお金にならない対応で見極める
- 過去のアフターサービスの事例やトラブルの事例を聞く
ですので、判断のポイントもやはりお金にならない部分で行います。
大きな額の工事の場合、見積もりを依頼してから担当者と会う回数は一度ではなく、コミュニケーションを多く取れます。そこで担当者の人間性や会社の体質が見えてきますので、工事を決めるまでに多くの基準を見つけておくことが大切になります。
また、今までの経験で施工がうまくいかずアフターで補修した実例や、トラブルがあった時にどのように解決し乗り越えたなどの失敗談を話してくれる会社は、正直ですし対応力があると判断できます。
直接「どのようなアフターフォローをしてくれますか?」と質問しても型通りの答えが返ってくるだけですので、このような質問をぶつけてみることをおすすめします。
リフォーム業者にはどんな種類があるか?
優良なリフォーム業者の選び方を理解したら、次にリフォーム業者にはどんな種類があるのか?といった点も理解しておきましょう。
- 大手ハウスメーカーグループのリフォーム会社
- 全国展開している総合リフォーム専門店
- 地域密着型の工務店系総合リフォーム店
- 専門性が高い専業リフォーム店
- ホームセンターや家電量販店系のリフォーム店
私は、いわゆるリフォーム業者を上記の5つに分類しています。
この中で最もおすすめなのが、「地域密着型の工務店系総合リフォーム店」です。
その理由も含めて、それぞれの特徴を簡単にまとめておきますね。
1.大手ハウスメーカーグループのリフォーム会社
大手ハウスメーカーグループの会社だけに、知名度と信頼性がどこよりも高いです。
しかし、同時に見積額も非常に高く、大手ゆえ小規模な工事を請け負ってくれないというデメリットも。
大手ゆえ、担当者による当たり外れのリスクも大きいのが特徴です。
2.全国展開している総合リフォーム専門店
新聞の折り込み広告などでもよく見かけるタイプの総合リフォーム会社です。
広告の表示が分かりやすく、値段も安めなので予算が限られている方にはおすすめです。
ただし、広告価格が商品代金だけで、工事費は別途と書かれている場合もありますので、最終的には見積もりを取った際の価格で判断しましょう。
3.地域密着型の工務店系総合リフォーム店
個人的に一番おすすめなのが、こちらの「地域密着型の工務店系総合リフォーム店」です。
リアルな口コミ情報と紹介による安心感が最大の魅力で、値段の交渉にも柔軟に対応してくれます。
会社の規模が小さい分小回りも効くので、トラブル時の対応も迅速。
大手に比べるとアナログな点は残っていますが、地元の不動産屋と連携を取っているためリフォームの施工実績が豊富という安心感もあります。
また、地域密着型ゆえ地元での悪い評判は死活問題です。そういった点からも、信頼できる工事を行ってくれるという安心感があります。
4.専門性が高い専業リフォーム店
クロスならクロスのみ、トイレならトイレのみといった局所的なリフォームを依頼したい場合に頼りになるのが専業リフォーム店です。
専門分野に特化しているため技術力が高く、それでいて低価格を実現している会社が多いです。
ただし、総合的なリフォームは請け負えなかったり、地方ではそもそも店舗自体が少ないというデメリットもあります。
5.ホームセンターや家電量販店系のリフォーム店
「スーパービバホーム」「ロイヤルホームセンター」「カインズ」など
資材や機器などの大量発注により、驚くほどの低価格で工事が可能になるケースがあるのがこのタイプの特徴です。
ただし、価格や職人さんの技術は地域によってかなりの差があります。
場合によってはかなり高額な見積もりとなるケースもあるので、地元の評判の下調べと、他の業態のリフォーム店との相見積もりは必須です。
それぞれのタイプのより詳しい解説は、こちらの記事でもまとめています。
>>リフォーム業者探しの前にどんなタイプの業者があるのか知ろう
リフォームの流れを理解する
リフォーム業者についての理解が深まったところで、これから行うリフォームをする際の流れについても、きちんと理解しておきましょう。
手順を順番に整理すると、主に以下の8つの工程を経てリフォームが無事に完了します。
- 手順1リフォームの動機をまとめるどのような目的でリフォームをしたいのかが明確にすることで、リフォーム業者からもらえる提案や予算のかけ方が変わってきます。逆に、ここがしっかりと定まっていないと、業者にこちらの希望を正確に伝えられません。
- 手順2リフォーム業者のタイプを知るひと言でリフォーム業者と言っても、実は様々なタイプの会社があります。ご自身のリフォームに最適なタイプの業者を選ばないと、思わぬ出費がかさんでしまったり、希望通りのリフォームが出来ない可能性もあります。
- 手順3複数の業者に見積もりを依頼するご自身がお住まいのエリアに対応しているリフォーム業者に、一括で見積もり依頼ができる無料のサービスが増えてきています。登録には一定以上の条件をクリアしている必要があるため、悪徳業者を避けるためにも有効です。
- 手順4現地調査を受け見積もりをもらう一括の卓上査定でリフォーム業者を数社に絞ったら、それらの業者に現地調査による詳細な見積もりを出してもらいましょう。必ず数社以上から相見積もりをもらい、比較をすることをお忘れなく。
- 手順5リフォーム業者を決定する現地調査を依頼した複数の業者から相見積もりをもらったら、それらを参考にリフォームを依頼する業者を最終決定します。業者を決める際のポイントは、ぜひチェックしておいてください。
- 手順6工事の日程調整をする基本的に在宅でのリフォームは立ち会いでの工事となります。使用する細かい商品を決定し、具体的な工事の日程を調整しましょう。
- 手順7工事当日と完成後の確認検査リフォーム工事当日は、意外とドタバタです。また、工事終了後にチェックすべき点もいくつかありますので、事前に確認しておきましょう。
- 手順8アフターサービスを受けるリフォーム業者との付き合いは、工事完了と共に終わるわけではありません。優良な業者であれば工事後の不具合などの対応も受け付けれくれますので、不具合がある場合は積極的に利用しましょう。
リフォームの流れは、想像以上に複雑です。
ですが、どんな手順で次に何を行うべきなのか、注意点は何かという点を理解することで、リフォーム業者とのやり取りも非常にスムーズになります。
上記の流れをまずはしっかりと理解して、あなたのリフォームを成功させてくださいね。
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