リフォームの施主支給とは、リフォームの資材をご自身で発注して、工事だけを請負ってくれる業者に依頼する事です。
施主支給の特長は、一般的なリフォーム会社が取り扱っていない個性的な海外商品など、自由に好きな物を選べることです。
ネットショップなどで格安な物を仕入れられれば、大手ハウスメーカーのリフォーム費用と比べた場合、驚くほど安くできるメリットがあります。
しかし、施主支給リフォームはメリットばかりではなく、デメリットもたくさんあり、リフォームが失敗する可能性が高いです。
今回は、リフォームの施主支給によるトラブルについて詳しくまとめます。
リフォーム施主支給の施工不可のトラブル
リフォームの施主支給で一番多いトラブルが、施工不可によるトラブルです。
トイレの便器が取り付け不可
トイレの便器交換は、壁排水、床排水、排水芯のことなど必ず調べなければならない事があります。
しかし、トイレの便器はどんなものでも取り付けられると思いこみ、一番安いものを注文。排水管の位置違いで、全くとりつけられない商品を購入してしまったトラブルもあります。
使用できないフローリングを注文し張り替え不可
マンションによっては、L45の遮音フローリング以外は認めない場合があります。
過去に、住んでいるマンション規約を知らずに、高級な無垢材のアウトレットが激安で販売していたものを購入した方がいました。
結局、遮音値の問題で、購入した無垢材を使用することができず、無駄な出費になってしまった事例があります。
フローリング張り替えは、マンションによって必ず規則がありますので、どんなフローリング材なら張って良いかを必ず調べてから購入しなければなりません。
他にもシステムキッチンを注文する際、ガスコンロやレンジフードの位置が逆のものを買ってしまい、交換する輸送費の負担や工事費の追加などにより多くの損害が出てしまった事例もあります。
リフォーム施主支給の搬入のトラブル
リフォームの施主支給でよくある搬入のトラブルとはどんなことがあるのでしょう?
大きな搬入物を家の中まで運んでくれない事も
今は誰でも気軽にネットで購入できるものが多くなって、建設資材も同じ感覚で簡単に注文できるようになってきました。
大手の通販で届く荷物と同じように、注文した資材を玄関まで持ってきてもらえると思ってたのに、玄関まで運んでくれなかったというトラブルもあります。
搬入時にキズをつけてしまうことも
大きくて重い資材ほど運び方に慣れが必要で、搬入時にキズをつけてしまうことがあります。更に、搬入物によって、部屋中の壁や扉を傷つけてしまい、結局その部分をやり替える出費になってしまったという事例もあります。
搬入の仕方の他にも注意しなければならない事があります。
例えば、フローリングは立てかけるのは厳禁で、平積みが基本ということを知らずに、立てかけて角がつぶれてしまい使い物にならなくなってしまうトラブル事例もあります。
搬入物の到着時間と職人さんの手配
搬入日に合わせて職人さんを手配したものの、時間通りに荷物が届かないことです。結局、その日に工事が終わらず、追加の工賃を払うことになり、思わぬ出費になってしまうトラブルもあります。
リフォーム施主支給の材料不足によるトラブル
材料不足によるトラブルは、主に張る工事で、クロス工事、タイル工事、フローリング工事などです。
実際に張る場所の㎡数を測り、「1ケースあたりの㎡数では足りる計算なのに・・・なぜ?」
通常リフォーム業者さんは、材料を張る系の工事の場合は、㎡数対して必ずロス分を計算して余分に材料を注文します。
ロス分とは、使えない端材分のことで、クロス、タイル、フローリング工事の場合は、見た目に変な所に継ぎ目をもって行きたくないので、必ず割りつけを計算しおさまりを考え施工します。
張りつける材料の一枚単位の大きなや部屋の広さにもよりますが、少なくとも5%~10%多めに発注します。
追加ばかり出してしまいますと、業者さんに頼んだ方が安かったということになり兼ねません。
リフォームの施主支給を請負わないリフォーム会社の理由とは?
お買い得な商品を見つけて目星をつけたものの、工事を請負ってくれる業者が全く見つからないこともあります。
なぜ施主支給リフォームを請負わないリフォーム会社が多いのでしょう?
利益が得られない為請負わない
リフォームの内容によっては、工事代金より商品代に対する利益を取ることが多いので、会社の利益にならない場合は請負いません。
また、普段取り付けて慣れているものではなく、見たことも無い様な商品は施工リスクも伴います。
ですので、利益があまりとれない施主支給リフォームを請負わない会社が多いです。
施主側の発注トラブルが多いので請負わない
施主支給のリフォームは、前述にあった通り、施主側の発注間違えや資材不足などトラブルが起きやすく、お互いに嫌な思いをする可能性が高いです。
良心的なリフォーム会社は、発注ミスで困っているお客さんを目の前にして、知らない顔をするわけにもいきません。
リフォーム施主支給をすすめない理由とは?
リフォームの施主支給をする前に、まず、工事以外の事をご自身でやる労力とそれに掛る時間などをよく考えてみましょう。
全てご自身でやることは、プランニングから資材の発注と搬入管理までしなければなりません。
また、複数の業者が絡む工事の場合は、工程管理や業者の日程打ち合わせ、マンションの場合は工事申請や近隣住人のリフォーム同意書、仕様書の提出など。
以上の事を踏まえて、リフォーム業者との価格差を比べてお得と感じないのなら、施主支給リフォームはおすすめしません。
施主支給リフォームは、小さなリフォームなら少し勉強すれば、簡単に数万円くらいの費用を浮かすことが可能でしょう。
しかし、大きなリフォームの施主支給は、建設業界に携わったことがある詳しい人や、工程管理など組める人でないととても難しいです。
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まとめ
施主支給リフォームは、キッチンやユニットバスなど金額が大きな工事ほど、多くの業者も絡みリスクが高いです。
仕入れる資材の値段ばかりに目を向けず、計画をしっかり立てていかないと、結局トータルで高くなってしまうことがあります。
まずは、施主支給リフォームの予算と材料工事共に請負うリフォーム業者さんの見積もりを比べて、失敗しないリフォームを目指していきましょう!
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