悪質なリフォーム業者は減少傾向にありますが、最近では形を少しずつ変化させ、判断がつきにくくなっているといわれています。
今回は、従来型の悪質リフォーム業者の手口とその対策、見分けのつきにくい悪質リフォーム業者の特長などをまとめます。
悪質リフォーム業者とは?そのタイプとその見分け方
悪質なリフォームと一口に言っても、とても幅が広く色々な類があります。優良と悪質どちらなのか見分けにくい業者も存在します。
騙す意図は無く、工事の技術が未熟で施工不良という意味合いでの悪質リフォーム業者から、高齢者を騙すことが目的の詐欺事件レベルの重い悪質なリフォーム業者ものまであります。
わかりにくい悪質リフォーム業者を3つのタイプ別に分類して説明します。
- 施工不良系悪質リフォーム業者
- 契約違反系悪質リフォーム業者
- 詐欺系悪質リフォーム業者
施工不良系悪質リフォーム業者
施工不良系の悪質リフォーム業者とは、
基本的に契約通り工事するが、満足いくようなリフォームにならず、もめ事が絶えないタイプの会社のことです。
法外な値段で見積もりしているわけでもなく、言われた通り工事は最後までやるのですが、施工ミスや発注間違い、近隣とのトラブル、工期の遅延などスムーズに行かないのが特徴です。
従来の悪徳業者ですと、追加工事ありきで利益を得ようという意図がわかりやすいですが、このタイプの悪質業者はただ単に知識が無く、騙そうとする意図が無い場合もあるのです。
契約違反系悪質リフォーム業者
契約違反系悪質リフォーム業者とは、
契約の段階では一般的な見積書ではあるが、契約で記載されていない商品や材料の質を勝手に落として仕様変更したりして利益を確保するタイプの会社のことです。
下地や解体箇所など見えにくい部分を、見積もり通りやるべき工事を省いて工事する、いわゆる手抜き工事の類もこのタイプの悪質リフォーム業者の特徴です。
リフォームの途中で追加工事が発生した場合も、生活に支障が出るようなタイミングで追加代金を請求し、支払わないと工事を中断させたりして弱みに付け込む事もあります。
本来は追加工事が出た場合、施工方法や値段の話など双方で協議の上行います。
ですが悪質リフォーム業者の場合、勝手に追加工事を進めたり、弱みにつけ込み、高額な追加代金を請求するのです。
下地が腐っている可能性がある浴室の追加工事や外壁の追加工事など、契約前の段階で十分に理解し注意したいところです。
詐欺系悪質リフォーム業者
詐欺系悪質リフォーム業者とは、
法外な請求額、嘘の見積もり、嘘の工事、工事放棄、業者失踪などありとあらゆる悪をまとめたような、最も悪質な会社のことです。
特に社会問題になったような悪質リフォームは、床下の湿気を問題にして、防湿剤や意味のないファン等を設置します。
あり得ないほど法外な値段で高齢者を騙し契約させ、多くの方の資産を奪った話が有名です。
その他にも系統は少し違いますが、支払いが完了しているのに工事を完了させない詐欺的な業者もあります。
いつまでも未施工があるまま後回しにされ、結局行方知れずで居なくなってしまったという事例もあります。
トラブルを回避する意味でも、契約の際は、全額前払いなど業者が有利になる様な支払い条件にすべきではありません。
こういった類の悪質リフォーム業者は、会社の所在地が虚偽の場合が多く、ホームページなども架空のもので、実態が無い会社が多いです。
会社を潰しては新しい会社を立ち上げ、地域を変えて悪行を繰り返している組織です。
あなたは、このタイプの悪質業者を選ぶのは論外だと解ってるでしょうし、騙されるわけ無いと思っていると思いますが、相手は詐欺のプロです。
離れて暮らす高齢のご両親が、あの手この手で知らない間に契約してしまうことの無いように、連絡を取り合いましょう。
悪質リフォーム業者の4つの手口
悪質リフォーム会社は、4つの手口のどれか、もしくは全てでアプローチする可能性があります。
- 近隣挨拶
- 無料点検
- モニター価格
- 不安を煽る
それでは悪質リフォーム業者の4つの手口を順番に解説しますね。
近隣挨拶
『近くで外壁の工事をさせていただきますので、近隣住人さんへのご挨拶です!』
近隣挨拶は主に戸建での場合が多く、近くで外壁工事などをしている場合に、ご迷惑をおかけしますと近隣への配慮を大切に挨拶に来ることがあります。
近隣ではない場所からの挨拶には注意
近くの工事で挨拶ならまだしも、全然関係ない離れた場所で工事をしていて、近隣挨拶という名で広範囲に営業をかけている会社もあります。
あまりにも工事の場所が離れている場合や、どう考えても不自然な挨拶は、ただの営業ですので少し疑っても良いかもしれません。
無料点検
『今、期間限定でこの地域を無料点検させていただいております!』
普通で考えたら、無料で点検ってどう考えても怪しいですし、こんなことに引っかかる人は少なそうと思いますが、実際は結構被害に合っている方が多いのです。
傷んでそうな家を物色する
悪質リフォーム業者は、地域を一日中歩き、外観で劣化している様な家を見つけます。雨漏り点検や外壁の劣化などお家の悪いところを調べさせてくれる素直な人を探しています。
点検に応じたら彼らの思うツボで、あらゆる所を荒さがしして、適当な理由をつけて工事の契約を取ろうとします。
写真を見せて不安を煽る
今までは、工事しないとこのままでは良くないですよと口で説明するだけでしたが、最近ではスマートフォンなど簡単に撮影して、傷んでそうな場所を見せて不安を煽るのが特徴です。
もし優良なリフォーム店が、外観から判断できるような不具合を見つけた場合は、不具合だけをお知らせすることは良くあります。
しかし、優良なリフォーム会社は、悪質リフォーム会社と思われるのを極端に嫌っていますので、見積もりを積極的に取ることをしない業者が多いです。そのあたりもある程度判断できる基準になると思われます。
モニター価格
『今月限定で、この地域でモニターキャンペーンを実施しています!』
モニター価格というキーワードは、とても魅力的な言葉で引きつけられてしまいます。高額なキッチンが期間限定で半額になるなど聞くと、こんなチャンスは二度とないと揺らいでしまいます。
実際に商品が無い場合もある
リフォームのモニター価格だけを武器にして近づき、他の工事で騙そうとする悪質なリフォーム業者も少なからず存在しているのです。
実際にモニター価格の物すら最初から無く、欠品しただの、売り切れただのと色々と言い訳され、全然お得ではない違う商品で契約するような、悪質なリフォーム業者も存在します。
期間限定ではない場合もある
本当にモニター価格で、お得にリフォームをしてくれる優良なリフォーム店も存在しますが、期間限定と言いつつ一年中やっている様な所もあります。
不安を煽る
『お客さん、このままですと大変なことになりますよ・・・』
このまま放っておくと家が倒壊してしまうなど、煽られたら不安で仕方ないでしょう。その不安な気持ちにつけ込み、法外な値段で契約を取るのが悪質リフォーム業者の特徴です。
屋根や床下の不具合を狙う
特に多いのが、自分で目視できない部分で、屋根や床下の不具合を狙うケースです。外側から簡単に確認できる外壁のひび割れをネタに建物内部に入り劣化個所を見つけ不安を煽ります。
数十年住んでいる場合は少なからず傷んで見える箇所を悪質業者は知っています。放っておいても影響の無い箇所を大げさに煽り、このままでは家が崩れるくらいの極端な話をしてきます。
確認できない場所の写真を見せてくる
具体的には屋根裏や床下など簡単に確認できない場所に潜り、どんな家にもあるような傷みがちな部分の写真を撮って見せて不安を煽ってきます。
お家の不具合の話や地震の事などお話しの中から、不安な個所との傷んだ箇所の関係を結びつけ、もっともらしく結論付けるのが得意です。
絶対騙されない!悪質リフォーム業者対策に必要なこととは?
悪質リフォーム業者に絶対に騙されない様にする対策は最低限3点あります。
- 相見積もりをとる
- 時間をかけて打ち合わせする
- 契約書を交わす
それでは、騙されない様にする対策を順番に解説していきましょう。
相見積もりをとる
悪質リフォーム業者に騙されないようにするには、最低限複数社の相見積もりを取りましょう。
3社程度の相見積もりでも値段の差、サービスの差、見積書の見え方など違いがわかります。
悪質業者の場合は、相見積もりをとても嫌いますので、「相見積もりをさせていただきます!」とはっきり言うことで、悪質な業者かどうかの判断が可能です。
相見積もりを持ちかけられると、「当社に決めていただければ大幅な値引きをします!」と言って、早急に契約させようと急かし、相見積もりを阻止しようと必死となるでしょう。
時間をかけて打ち合わせする
悪質なリフォーム業者の特徴は、不安を煽ること、契約を急かすこと、そして早めに逃げたがる事などです。
現地調査の見積もりの時にしても、契約の時にしても、工事日当日にしても、何かある業者はその場から逃げたくて仕方がなく、終始落ち着きが無いのでわかりやすいです。
悪質リフォーム業者かどうかを判断するには、工事の見積もりの時が絶好のチャンスです。
契約書を交わす
悪質なリフォーム業者は、証拠を極力残したがらないので契約をうやむやにします。形ばかりの簡単な契約書ではなく、法的に有効な印紙を貼った契約書を、しっかり交わしてくれるかどうかも判断基準となります。
リフォーム業者が悪質かどうかの判断が解らない場合でも、見積書がしっかりしていて、しっかりと約款がある契約書を交わすことに何も動じなければ、悪質なリフォーム会社でない事が多いです。
最近では、わかりやすい悪質リフォーム業者が多いわけではないです。比較的軽めの悪質リフォーム業者が一番判断が難しいです。
自分たちが悪質なリフォーム業者の分類に入っていると気付いていなく、騙そうとする悪意が無いリフォーム業者が本当に厄介なので注意しましょう。
悪質なリフォームが多い業種と少ない業種とは
悪質リフォームには、すべての業種が当てはまるわけではなく、比較的多い業種と少ない業種があります。
まずは、あなたがリフォームをしようと考えている工事が、悪質なリフォームが多い業種なのか、少ない業種なのかを確認しましょう。
悪質リーフォームが多い業種は、外壁や床下工事
悪質リフォームが比較的多い業種は、外壁工事や屋根工事、床下などです。これらの業種に悪質なリフォームが多い理由は、工事後に判断しにくいことが共通しています。
外壁や床下工事
悪質リフォームが比較的多い業種は、外壁工事や屋根工事、床下などです。これらの業種に悪質なリフォームが多い理由は、工事後に判断しにくいことが共通しています。
外壁塗装や屋根塗装
床下関連の悪質リフォームも多く、悪質リフォームというよりも、詐欺案件で社会問題になった事例が多いです。
湿気で下地が腐っていると不安にさせ、根拠のない調湿材を撒いたり、数千円の換気扇を何十台も設置して、数百万円単位で被害があります。
最近では屋根に上り、どこも悪くなっていない屋根を業者が壊してリフォームさせる犯罪業者も出てきましたので注意しましょう。
悪質リーフォームが少ない業種は内装工事や水廻り工事
悪質リフォームが比較的少ない業種は、内装工事や水廻り工事などです。これらの業種に悪質リフォームが少ない理由は、エンドユーザーが工事後に容易に確認できることが共通しています。
内装工事
内装工事に悪質リフォームが比較的少ない理由として、もともと利益が出にくいという点が挙げられます。例えば、クロスの張り替えやフローリングの張り替えなどは、真面目に工事しても、手抜きの工事をしても職人さんの手間は変わりないです。
仕上がりが容易に判断でき、手抜きを隠すことができない業種は、悪質リフォーム業者にとってリスクが高く利益が少ないのが理由です。
水廻り工事
水廻り関連で悪質リフォームが少ない理由は、キッチンやユニットバスはメーカー専属の職人さんが施工していることが多いからです。ですので、悪質リフォームとしても事例が少ないです。
キッチンやユニットバスなどは、内装のリフォーム同様で手を抜ける場所が無く、工程を端折る所が少ないので、悪質リフォームになりにくいのです。
どの業種がターゲットになるのかは、判断が難しい部分もあると思いますが、どちらかというと手間のかからない工事で大きな資材ではない工事です。
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まとめ
ひと言で悪質リフォーム業者といっても、色々あるということがお分かりいただけたと思います。
最近では明らかな悪質な業者というよりも、判断がつきにくい悪質リフォーム店も多くなってきていますが、今回紹介した悪質リフォーム業者の特徴をたくさん知ることで、回避できる知識が身につたのではないでしょうか?
「悪質なリフォーム業者を選ばない=リフォーム成功」では決してありませんが、少なくとも失敗する確率は格段に減りますので、今回ご紹介した点を是非参考にしていただければと思います。
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