リフォーム済みの中古マンションや団地などは、新築の様にきれいな状態で販売されていますので、とてもお得に思えるかもしれません。
リフォーム済みの中古住宅はメリットもありますが、マンションや団地のリフォーム済み中古住宅購入をおすすめしていません。
なぜリフォーム済みの中古住宅を購入しない方がよいのか、どんなデメリットがあり注意が必要なのかを詳しく解説してみましょう。
目次
リフォーム済の中古物件購入メリット
リフォーム済みの中古マンション購入メリットは、住宅ローンにリフォーム費用分が既に含まれていることと、購入から引っ越しまでのスケジュールが短いことです。
住宅ローンにリフォーム費用分が含まれているメリット
壁紙やフローリングのほかに、水廻りを含む大幅なリフォームは、少なく見積もっても300万から400万は軽く超えてきます。デザイン性が高く、多機能で高品質の仕様にすれば、500万から1000万近くになる場合もあるでしょう。
中古住宅を購入した後にリフォームをする際、自己資金が無い場合は住宅ローンとは別にリフォームローンなどを組まなければなりません。
リフォームローンなどは低金利とはいえ、住宅ローンと違い、金利が高くなってしまいます。自己資金が無い状態ですと住宅ローンと別にリフォームローンを支払うのは、とても負担になってしまいます。
リフォーム済みの中古マンションなら、支払いが低金利の住宅ローン一つだけですので、月々の支払いを安くまとめるメリットは大きいでしょう。
現在住んでいるところが賃貸ですと、中古住宅購入後のリフォームのタイミングがうまく合わない場合は、現在住んでいる賃貸の家賃、購入した中古住宅のローン、リフォームのローンと三重苦になってしまうこともあります。
購入から引っ越しまでのスケジュールが短いメリット
リフォーム済みの中古住宅は、購入から住み始めるまでのスケジュールが短く、短期間でも比較的スムーズに行くでしょう。
リフォームの時期と内容によりますが、中古住宅を購入してから、大幅にリフォームをする場合は、間に合わせたい時期に終わらず、通勤や通学に影響が出てしまう方が多くいらっしゃいます。
同じ町の中で、引越しをするならまだ影響は少ないでしょうが、特にお子さんは住んでいた場所から遠く離れた場所に引っ越す場合は、とても負担になります。
リフォーム済の中古物件購入デメリット
リフォーム済ということは、傷んだところや不具合などすでに改善されています。なぜ改善されているのに、リフォーム済みマンションや団地などの中古物件を買わない方がよいのか?
リフォーム前の状態が確認ができないデメリット
リフォーム済の中古物件を買わないほうが良い最大の理由は、リフォーム前の状態が確認できないことです。
リフォームは、ただ見栄えだけを綺麗にするだけではありません。何かしらの不具合や、トラブルが起きて修繕しなければならなくなる事例も多いです。ですので、リフォームする前は、どのような状態でリフォームするに至ったのか、理由をはっきりと把握する必要があります。
現状では全く売れない物件だった可能性
リフォームした事を曖昧にしている物件は、見られてしまうと都合が悪く、現状のままでは直さないと売ることが難しい物件という可能性が高いです。
例えば、何かしらの理由で雨漏りをしていて、局所的に傷んだ箇所があった場合は、下地の腐食を疑わなければなりません。
もちろん、雨漏りが理由ということを把握していて、しっかりと修繕してから販売する誠実な業者ならばよいですが、表面だけ隠すようにリフォームし販売する不動産業者も存在します。
配管を交換しなければならない物件
他にも築年数が40年経過しているような、古いマンションや団地の場合、水廻りの配管が傷んでいることが多いので交換の必要があります。
チェックした上で交換しなくてもよいのであれば、そのままでもいいと思います。しかし、築年数が40年経過した中古の物件を購入して、将来的にそこから10年20年住むことを考えると、今は漏れていなくても交換した方が良い場合が多いです。
生活に支障が出てしまうような不具合があった場合は、瑕疵担保責任で不動産屋さんが無償で直してくれるので費用の心配はいりません。しかし、漏水事故というのはフローリングや床下地、石こうボード壁にも染みていることが多く、年月が経過してからカビが発生したり不具合が発生することがあります。
フローリングや床下地にまで漏水被害が出た場合は、基本的にはすべてやり直してもらうのが一番良いです。必要最低限しか補修しない業者もいますので、履歴がわからない物件を、不動産業者から購入するのは見送るべきです。
更に、リフォームのビフォーアフター写真があるのであればとても信頼できる業者でしょう。
実はお得ではない可能性が高い
リフォーム済みの中古マンションなどは、中古マンションの値段にリフォームした値段が上乗せになっているのは、容易に想像が付くと思います。
リフォーム済みのお得感に注意!
購入を検討している中古マンションなどの物件が、すべてリフォームしてある場合、400万円、500万円もお得に購入した気分になってしまいます。リフォームをした経験が無い方は、どれくらいでできるものなのかわからないまま、深く考えず購入し失敗してしまうことがあります。
例えば、中古マンションの値段が通常1500万くらいで、すでに500万相当のリフォームがされていると予想した場合、「この立地条件で2000万円のマンションはお得だ!」と思うでしょう。
しかし、不動産屋さんがリフォームを手掛ける場合は、リフォームに掛った値段は殆ど値引きなしで上乗せになっていることが殆どです。
リフォーム済みの中古物件は、商品価値というよりも購入者の価値観という曖昧な感覚で決まりやすいので、損する方が後を絶ちません。
グレードが低い仕様の可能性も
特に格安のリフォーム済みの中古物件は、最低限の予算で直し綺麗に見せて、高く売るのが基本ですので、どちらかと言うと、最新の流行仕様というよりも、流行りすたりのない無難な仕様でまとめることが多いです。
リフォームを一度でもしたことがある方なら、各商品のグレードを把握しているので相場観がわかると思います。しかし、一度もリフォームをしたことがない方は、キッチンがいくらかかるのか?浴室はいくらかかるのか?クロスやフローリングがいくらかかるのか想像もつきません。
綺麗に見えるリフォーム済み中古マンションは、内装材にしても水廻りにしても、実際には低グレードのものばかりで、総額200万もかかっていない場合も少なくありません。
機能不足は長期間悩むことも
水廻りの商品はグレードが一番低いものは最低限の機能ですので、住み始めてから機能性に満足いかないことが多いです。
内装などデザインや色の好みの問題だけならまだしも、水回りのデザインや機能性の劣りは、長期間悩むことになります。なぜなら、曲がりなりにもリフォーム済みの新品を即交換するにはもったいないということで、古くなるまで交換しないという選択に縛られてしまうからです。
リフォームしていない物件との比較は相見積もりを
中古マンションを購入するときは、一物件だけで決めるのではなく、いくつかの物件で比較検討すると思います。その中で、新築のように綺麗なリフォーム住み物件があると、たしかに気持ちが揺らいでしまうでしょう。
検討する際、「結局どこも値段は同じだろう?」とか、「今住んでいる所よりマシだから・・・」と妥協し、比較せず一つに決断してしまうことだけは避けなければなりません。
なぜなら、リフォームしていない中古マンションを購入して、後から自分の好きなようにリフォームした方が予算が掛らない場合も多いからです。
また、相見積もりにより、良いリフォーム業者さんを見つけると、あなたの生活スタイルに合った提案が生まれたり、大幅な費用削減も期待できます。
中古マンションを検討している場合、候補の一つである何もリフォームしていない物件と、リフォーム済み物件の値段やリフォームした箇所を、不動産屋さんにしっかりと確認し、比較してみることをおすすめします。
比較的大掛かりなリフォームになりそうな場合は、不動産屋さんの他に2社程度の相見積もりを検討しましょう!
まとめ
リフォーム済みの中古マンションなどの住宅購入は、お得なメリットもありますが、注意しなければならないデメリットもお分かりいただけたでしょうか?
特に、リフォーム前の状態を把握できるかということが重要です。数十年先まで住む場所として考えるのであれば、妥協せずに徹底的に比較し、より良いリフォーム業者に相談するべきでしょう。
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